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NAPスコアを用いた鑑別診断【ゴロ・覚え方】

Contents
  • NAPスコアが低下する疾患
    ・ゴロ「ナプキンないと困るから夜間にこっそり行くM2」
    ・解説
  • NAPスコアが上昇する疾患
  • NAPスコアは鑑別診断の補助ツール

NAPスコアが低下する疾患

ゴロ「ナプキンないと困るから夜間にこっそり行くM2」

ナプキンないと:NAPスコア↓
困るから  :CML
夜間    :発作性夜間血色素尿
     :次性赤球増加症
こっそり行く異形成症候群
M2     :AML(M2)

出典:医ンプット(一部改変)

解説

NAP(Neutrophil Alkaline Phosphatase)スコアは、好中球に含まれるアルカリフォスファターゼ活性を染色することで、好中球の「活性」を評価する指標です。具体的には、採取した血液をスライドガラスに載せて、一定の処理をした後に染色を行い、顕微鏡下で100個の成熟好中球(桿状核球+分葉核球)のうち、何個の好中球が青く染まったかをカウントすることで算出されます。

まず、NAPスコアが低下する疾患をゴロで暗記しましょう!

NAPスコアが低下する疾患

  • 二次性赤血球増加症
  • 発作性夜間血色素尿症 <PNH>
  • 慢性骨髄性白血病 <CML>
  • 骨髄異形成症候群 <MDS>
  • 急性骨髄性白血病(M2) <AML-M2>

NAPスコアが上昇する疾患

ついで、NAPスコアが上昇する疾患を確認しましょう。

NAPスコアが上昇する疾患

▶︎骨髄造血が広く亢進する疾患

  • 真性赤血球増加症 <PV>
  • 本態性血小板血症 <ET>

▶︎骨髄造血が上手く行われない疾患

  • 再生不良性貧血 <AA>
  • 原発性骨髄線維症 <PMF>
  • 急性骨髄性白血病 <AML>

真性赤血球増加症<PV>や本態性血小板血症<ET>でNAPスコアが上昇するのはわかりやすいですよね。いずれも、JAK2遺伝子の変異によって造血幹細胞が異常増殖するために、PVでは赤血球優位な、ETでは血小板優位な汎血球増加をきたす疾患です。すなわち、PV/ETでは、好中球への分化・増殖も亢進するためにNAPスコアが上昇します。

再生不良性貧血<AA>、原発性骨髄線維症<PMF>、急性骨髄性白血病<AML>はともに汎血球減少をきたす疾患ですが、末梢血に残存する好中球は軒並みアルカリフォスファターゼ活性が亢進しています(数少ない好中球が頑張っているイメージ)。もう一度確認すると、NAPスコアは、100個の成熟好中球(桿状核球+分葉核球)のうち、何個の好中球が活性化しているかを見る指標でしたね。すなわち、AA、PMF、AMLでは成熟好中球の数自体は減少しているものの、それらのアルカリフォスファターゼ活性が亢進しているため、NAPスコアは上昇することになります。

NAPスコアは鑑別診断の補助ツール

最後に、NAPスコアが上昇する疾患と低下する疾患を見比べてみましょう。NAPスコアがいかに便利かがわかります

赤血球増加症では、NAPスコアが上昇していれば真性(PV)低下していれば二次性を示唆します。

AAとPNHはいずれも汎血球減少をきたす際の鑑別にあげられますが、NAPスコアが上昇していればAA低下していればPNHを示唆します。

白血病では、NAPスコアが上昇していればAML(M2以外)、低下していればCML(またはM2)です。

このようにNAPスコアは、鑑別診断の補助ツールとして有用です(実際、NAPスコアは簡単に算出することができ、再現性も高いことから臨床でよく用いられます)。

さらにCMLでは、急性転化の際にNAPスコアが上昇に転じることも知られています。NAPスコアの上昇は、芽球の増加に先立って見られるので、CMLの急性転化の予知にも有用です。

なまっぺ

なまっぺも実際にNAPスコアを算出したことあるよ。とても簡単で誰にでもできる検査だお。ゴロの暗記だけではなくて、臨床的意義も含めてしっかり理解しておこうね。ナムナム。

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