Contents
- 非圧痕性浮腫
・ゴロ「橋本リン、当分結果残さない」
・解説 - 国試にチャレンジ!
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非圧痕性浮腫
ゴロ「橋本リン、当分結果残さない」

橋本 :橋本病
リン :リンパ浮腫
当分 :糖尿病(浮腫性硬化症)
結果 :血管性浮腫(Quincke浮腫)
残さない:非圧痕性浮腫
出典:オリジナル
橋本環奈ならすぐに結果残すだろうけど・・・
解説
非圧痕性浮腫には、
- 橋本病(甲状腺機能低下症)
- リンパ浮腫
- 糖尿病(浮腫性硬化症)
- 血管性浮腫(Quincke浮腫)
の4つがあります。
血管性浮腫は、血管透過性が亢進することで眼瞼、口唇、咽喉部等に浮腫が生じ、咽頭絞扼感や腹痛をきたす病態です。
遺伝性と後天性とがあり、遺伝性ではC1-インヒビター<C1-INH>遺伝子の異常によって消耗的に血清補体価が低下することが重要です。また、後天性の原因としては薬剤(ACE阻害薬)の使用が知られています。
なまっぺ
浮腫の原疾患同定のためには触診が重要だよ。非圧痕性の場合は、上記の4疾患を想起できるようにしようね!
国試にチャレンジ!
第99回医師国家試験 G-51(改)
32歳の女性。四肢と顔面との浮腫と咽頭絞扼感とのため来院した。成人後に年に1、2回、四肢特に前腕部に浮腫が出現し4、5日で消失していた。最近浮腫の出現が頻回となり、今朝から顔面の浮腫、腹痛および咽頭絞扼感が出現した。意識は清明。身長152cm、体重41kg、体温36.1℃。脈拍60/分、整。血圧130/80mmHg。顔面浮腫状。眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄疸はない。頸部リンパ節腫張はない。心雑音はなく、胸部でラ音を聴取しない。腹部に圧痛はなく、肝を触知しない。両下腿に浮腫を認めるが、圧痕を残さない。圧痛と熱感とはない。この患者にみられるのはどれか。
a CH50低値
b IgE高値
c 好塩基球増加
d α1-アンチトリプシン低値
e 免疫複合体高値
解答はこちら
a
解説)
圧痕を残さない浮腫であることから、橋本病・リンパ浮腫・浮腫性硬化症・血管性浮腫を想起します。
また、顔面の浮腫、腹痛および咽頭絞扼感が認められることから、血管性浮腫が疑われます。さらに、成人してから(精神的なストレスや外傷などによって)血管性浮腫を繰り返していることから、遺伝性が最も疑われます。
遺伝性血管性浮腫では、C1-インヒビター<C1-INH>遺伝子の異常によって、血清補体価が低下するんでしたね。