E 腎

膜性腎症と膜性増殖性糸球体腎炎の違い

Contents
  • 本テーマ執筆の経緯
  • 臨床像の比較
  • 病態・病理の比較
  • 原疾患の比較
  • まとめ

本テーマ執筆の経緯

昨夜、Twitterのタイムライン上でこういうやり取りを見かけました。

フォロワーさん

膜性腎症と膜性増殖性糸球体腎炎の違いがわからないんだけど有識者助けて

専門医の先生

組織学的な分類の違いですね

これを見たときに、まず、「有識者助けて」ってツイートにガチの先生が回答されてることにびっくりしましたw

なんとお優しい・・・。Twitterでご指導を頂ける環境に感謝ですね。

以前から私も同期のフォロワーさんと同じ疑問を持っていたのですが、今回改めてその「組織学的な分類の違い」を勉強してみたくなりました。

ところが、「膜性腎症 膜性増殖性糸球体腎炎 違い」とネット検索しても目ぼしい記事がないんですよね(そういえば以前も検索していて、その時は「わからないなぁ」で終わってしまっていました)。

そこで今回は、膜性腎症と膜性増殖性糸球体腎炎についてまとめてみることにしました。

一学生の私が本質にどれだけ迫れるかはわかりませんが(おそらくほとんど迫れないとは思いますが)、ここでは国試を乗り越えるために必要な知識の議論に留めて、2つの疾患を比較してみたいと思います。

なまっぺ

勉強意欲を駆り立てて下さった専門医の先生や、疑問を投げかけてくれた同期に感謝です。御礼申し上げます。

臨床像の比較

膜性腎症(MN)と膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)はいずれもネフローゼをきたす糸球体腎炎です。

MNはメジャーな疾患で、中高年で発症するネフローゼ症候群の中で最も頻度が高い疾患です。進行は緩徐で、予後は良く、腎不全に移行することは稀です。治療(ステロイド)反応性も良好。

よくあるのが、「5年前から健康診断で蛋白尿を指摘されていたんだけど、症状ないし、忙しくて放置しちゃってました〜」っていうエピソード。

中高年が蛋白尿や浮腫を主訴に来院してきて、蛋白尿や浮腫以外に異常を認めない場合は、MNを想起するようにしましょう!

一方、MPGNは稀な疾患で、進行は緩徐なのですが、最後は末期腎不全に至ることの多い予後の悪い疾患です。

無治療の場合、50~60%は10~15年で末期腎不全に至ると言われています。

なお、後述しますが、MPGNはⅢ型アレルギーで血清補体価が低下します。糸球体腎炎の鑑別に血清補体価はとても強力なツールで、国試的には「補体低下+血尿」とくれば溶連菌感染症後糸球体腎炎「補体低下+蛋白尿」とくればMPGN or ループス腎炎です。この辺りのことは↓の記事で書いてます。

ひとまず、ここでまとめです。

臨床像の比較

MNMPGN
血清補体価
頻度
治療反応性
腎不全への移行
尿蛋白選択性

尿蛋白選択性は、選択指数(S.I.)で定義され、
S.I.=IgGクリアランス/Tfクリアランス
で算出されます。IgGは高分子蛋白、Tf(トランスフェリン)は低分子蛋白なので、S.I.が大きいほど尿中へ高分子蛋白が漏出してしまっている(=尿蛋白選択性が低い)ことを表します。一般に、尿蛋白選択性が低い疾患は、ステロイド 抵抗性で予後が悪いという特徴があります。

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