今回は尿細管性アシドーシス(RTA)について!重要事項をスッキリまとめたよ👍
病態
尿細管性アシドーシス(RTA)は、尿細管機能異常によって、代謝性アシドーシスおよび電解質異常をきたす病態です。
病態によって1〜4型に分類されますが、ここでは1型と2型に絞って扱います。まずは共通点をおさえましょう!
RTAの共通所見
- 代謝性アシドーシス
- アニオンギャップ正常
- 電解質異常(低K, 高Cl)
- 低Kによる脱力感、四肢麻痺
- 慢性化すると尿細管を破壊し、CKDへ進行
- 治療はアシドーシスと低Kの補正
症例文から「アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシス」or「低Kなのにアシドーシス」であることを読み取って尿細管性アシドーシスを疑うのがセオリーだよ!
1型RTA
1型RTA(遠位尿細管性アシドーシス)は、集合管間在細胞における酸排泄障害によって、上記共通所見をきたす疾患です。
原因として、シェーグレン症候群(高γ-グロブリン血症)、遺伝性(髄質海綿腎)、薬剤性(アムホテリシンB、リチウム、NSAIDs)などあげられます。
合併症として、骨粗鬆症、尿路結石、腎石灰化が重要です。
鑑別には、NH4Cl負荷試験で尿pHが5.5以下にならないことを確認します。1型は酸排出ができないため、NH4Cl(弱酸塩)を血中に投与して、血中pHを酸性に傾けても、尿への酸排出が行われず、尿はアルカリ性に傾いたままです。
2型RTA
2型RTA(近位尿細管性アシドーシス)は、近位尿細管におけるHCO3–吸収障害によって、上記共通所見をきたす疾患です。
原因として、Fanconi症候群、多発性骨髄腫(Bence-Jones蛋白)、遺伝性(Wilson病、Lowe症候群)、薬剤性(アリストロキア酸(漢方薬)、シスプラチン、アミノグリコシド)などがあげられます。
鑑別には、NH4Cl負荷試験で尿pHが5.5以下になることを確認します。また、近位尿細管の吸収障害を反映して、尿中β2ミクログロブリンの増加、アミノ酸尿、尿糖がみられます。
1型と2型の鑑別
以上をまとめます。
I型 | Ⅱ型 | |
別名 | 遠位RTA | 近位RTA |
原因 | シェーグレン症候群 海綿腎 | Fanconi症候群 多発性骨髄腫 |
部位 | 集合管 | 近位尿細管 |
病態 | 酸排泄障害 | HCO3–吸収障害 |
尿pH | >5.5 | ≦5.5 |
合併症 | 骨粗鬆症 尿路結石 腎石灰化 | くる病・骨軟化症 |
1型と2型の違いはこれでバッチリ👍別記事でゴロも作ったので、記憶の引っ掛かりにつかってね!ではでは!
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